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葬儀後の手続き

葬儀が終了しても遺族には様々な行政的手続が残っています。手続きによってはなるべく早く行わなければならないものもあるので注意してください。葬儀が終了して、疲れている時なので他の親族と協力して行うのが良いかと思います。

各種変更手続き

私たちは日常、いろいろな会社や機関と関わっています。たとえば勤務先、年金、健康保険、生命保険、日常生活に最低限必要なインフラ(電気・ガス・電話など)をはじめ、携帯電話、銀行、クレジットカード会社、またはスポーツクラブなどの会員や免許・資格などなど。こういうものに対して、名義変更や退会・失効の手続きが必要なります。

勤務先身分証明書、会社の鍵やバッチなどの返却
市町村役所老人保険医療受給者証、印鑑登録カード、市民カードなどの返却
福祉事務所無料バス、身分証明書などの返却
警察・公安委員会自動車運転免許証などの返却
発行元各社会員証、クレジットカードなどの返却(または解約)
都道府県・旅券課パスポートに穴を開けてもらい、無効なものとする
市町村役所世帯主変更届(故人が世帯主の場合)
電話会社名義変更、電話帳の名前の変更(解約)携帯電話などへの対応
電力会社名義変更
ガス会社名義変更
テレビ会社名義変更
陸運局自動車税納付義務者の名義変更、「自動車の移転登録」などへの対応
地主・家主借地・借家の名義変更

※名義変更が必要なものには、財産相続と関わるものが多くあります。自動車税納付義務者の名義変更、自動車の移転登録、借地・借家の名義変更などのほか、銀行預金、郵便貯金、債権・社債・国債、不動産などがあります。

保険の手続き

故人が公的保険(健康保険等)や民間保険(生命保険等)に加入していれば、保険金の給付を請求します。各保険によって請求方法が異なるので確認してください。

国民健康保険と健康保険

国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬儀の費用を補う葬祭費が支給されます。市区町村役所にある国民健康保険課に国民健康保険葬祭費支給申請書に必要書類を添えて提出します。

一方、健康保険の被保険者が亡くなった場合は埋葬料が支給され、被保険者に養われていた人が亡くなると被保険者に家族埋葬料が支給されます。

葬祭料・埋葬料・家族埋葬料は、死亡または埋葬の翌日から2年以内に申請しなければならないので、忘れずに申請してください。

労災保険

労災保険の被保険者が仕事の業務が原因で亡くなった場合、葬祭料・葬祭給付、および遺族補償年金が支給されます。遺族補償年金の受給権は配偶者と子や父母、祖父母などの家族ですが配偶者以外の遺族が受給権を得るには、下にあるような要件を満たしている必要があります。

1.55歳以上60歳未満の夫、父母または祖父母

2.年度末(3月31日)の時点で18歳未満の子または孫

3.年度末時点で18歳未満55歳以上の兄弟姉妹

4.障害等級第5級以上の夫、父母または祖父母

葬祭料・葬祭給付は、死亡または埋葬の翌日から2年以内、遺族補償年金は5年以内に申請しなければならないので、忘れずに申請してください。

生命保険

生命保険の被保険者が亡くなった場合、契約内容に従って保険金が支給されます。生命保険は本人が知らないうちに勤務先で団体生命保険に加入している場合、遺族に知らされないで生命保険に加入していたというケースもあるのでしっかり確認する必要があります。

保険会社には、証券番号・被保険者の氏名・亡くなった日・亡くなった原因を知らせます。連絡すると保険会社から所定の死亡保険金支払い請求書が送られてきますので必要事項を記入し、添付書類を添えて提出します。なお保険金は死亡または埋葬の翌日から3年以内、簡易保険は5年以内に申請しなければならないので、忘れずに申請してください。

※生命保険付き住宅ローンも保険金の請求手続きが必要ですので注意してください。

遺族年金

亡くなった人が国民年金、厚生年金、共済年金などの年金に加入している場合、遺族年金が支給されます。

国民年金では遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金、および遺族の条件に対応して母子年金、遺児年金などが支給されます。市区町村役所にある国民年金課に申請をします。死亡一時金は死亡または埋葬の翌日から2年以内、遺族基礎年金、寡婦年金5年以内に申請しなければなりません。

厚生年金では遺族厚生年金が支給されます。亡くなった人の勤務先が社会保険事務所に申請します。遺族厚生年金は死亡または埋葬の翌日から5年以内に申請しなければなりません。

共済年金では遺族共済年金が支給されます。亡くなった人の勤務先が共済組合事務所に申請します。遺族共済年金は死亡または埋葬の翌日から5年以内に申請しなければなりません。

相続

亡くなった人が財産を残している場合、相続が行われます。まず相続財産がどのような内容か確認します。相続財産には現金、預貯金、有価証券、土地、家屋、貴金属類、特許権、意匠権などのほか、生命保険などからの死亡保険料などが含まれます(既に購入済みの仏壇・仏具や墓地・墓石などは、相続財産には入りません)。マイナス財産の有無も確認してください。全体として、マイナスの相続となる場合、相続を放棄する事ができます。なお相続税の申告は、故人の死亡日から10ヶ月以内に行います。

法的に有効な遺言がある場合、遺言に従い遺産の相続を行います。有効な遺言の形式には、公正遺言証書、自筆遺言証書、秘密証書遺言、危篤時遺言、隔絶地遺言があります。遺言を作る段階、および遺言書を有効な遺言とした手続きには細かな法的規定がありますので弁護士や家庭裁判所に相談してみてください。

一方、遺言がない場合、民法で定める法定相続人により法定相続が行われます。公的な事務手続きは故人、並びにご遺族の方の状況により細かく規定されています。必要書類の有無、事前に用意するものなど、各機関の担当窓口などでしっかり確認していく事が良いようです。

【相続に関する連絡先】

司法書士相続同意書、遺産分割協議書の作成など
税務署相続税の申告(亡くなった日から10ヶ月以内)、故人の所得税確定申告(亡くなった日から4ヶ月以内)、医療費控除による税金還付請求(亡くなった日から5年以内)
郵便局相続した貯金の支払または名義変更。非課税貯蓄名義人の死亡届
証券会社相続した株式・債券などの名義変更。非課税貯蓄名義人の死亡届
法務局・登記所相続した不動産の名義変更
特許庁など特許・商号・商標・意匠権などの名義変更