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葬式にかかる費用

よく、チラシや広告で「葬儀一式○○円」とか、「家族葬一式○○円」、「葬儀基本プラン一式○○円」というものをご覧になった方もあるかと思います。

一般の方がこれらを見た場合、この○○円という金額でお葬式、お布施、料理、お返し物などがすべてまかなえると思われる方が多いと思います。実際、この○○円で全てが賄えるとしたら本当に激安葬儀ができます。しかし、殆どの場合、○○円という金額は、葬儀社に支払う金額なのです。葬儀費用とはお葬式を出す費用、寺院などへのお布施、式場使用料、接待費用など細かく分かれます。では、この4つは具体的にどのようになっているのかを詳しく説明します。

お葬式を出す費用とは

「葬儀費用」には一般的に次の項目が含まれています

1.電話対応

2.寝台車

3.ドライアイス

4.枕飾り

5.御棺

6.御写真

7.看板

8.祭壇供物

9.供花・花環・盛籠など

10.会葬礼状

11.骨容器

12.後飾り

13.案内スタッフ(司会、案内係、設営など)

14.受付用品(記録簿、机、椅子など)

15.寺院用品(木魚、リン、線香、ろうそくなど)

16.霊柩車

17.お別れ用花束

これらの費用は、葬儀社にお支払する費用で、単純に「お葬式」を出す為に必要な費用ということになります。

寺院など宗教者へのお布施

仏教では、布施は菩薩(悟りを求めて修行する人)が行うべき6つの実践徳目の1つとされており、施す人も、施される人も施す物品も本来的に空であり、執着心を離れてなされるべきものとされています。お布施は様々に分類されていますが、一般的には次の3つに分けられます。

財施出家修行者、仏教教団、貧窮者などに財物、衣食などの物品を与えること。仏教の教えへの感謝を表し、施すことです。
法施正しい仏教の教えを説き、精神的な施しを行うこと。僧侶の務めとされています。
無畏施施無畏ともいい、不安や恐れを抱いている人に対し安心の施しをすると、困った人に対し親切に施すことなどです。

僧侶は枕経・通夜・葬儀式などの法要を営むことによって法施を施し、遺族はこれに対し感謝して財施で答えるという関係にあります。僧侶が法要を営むことはビジネスではなく法施で、遺族も葬儀でのお布施は法要執行への対価として支払うのではなく財施として行うというのが本来の考え方です。お経料、戒名料という表現は対価としての料金という考えによるものですからふさわしくないとされています。遺族にはお礼という気持ちが確かにあると思われますが、それを超えた意味があることを理解する必要があり、市販されている袋にはお布施を書くのが正しいとされています。

一番関心のあるお布施の金額が不透明という批判が高まっていますが、お寺と遺族の関係が希薄になっているのが弊害とされています。お布施をめぐり遺族、寺院の一部において問題があることは非常に残念ですが事実としてあります。お布施は遺族の志・お気持ちによるものですが、寺院の維持経費もあり、また他寺の僧侶に応援を頼めば導師となった僧侶は出座のお礼をしなければなりませんから、これらを考慮する必要もあります。遺族は自らの経済状況も考えつつ、相応の金額を包むことは必要になりますが、分からなければ率直に寺院に質問、経済的な事情があるときには寺院と相談されることをお勧めします。最終的にお布施の金額が分からなければ、葬儀社に相談するのも一つです。

他の宗教においても、考え方は基本的に仏教と一緒です。神道においては神職などへのお礼は御祭祀料などと記します。キリスト教の場合には、一般的には教会に対する献金(記念献金)と牧師あるいは神父への謝礼からなります。オルガニストなどへの謝礼も忘れないようにしましょう。基本の金額が定まっているケースも多く見られますが、経済的事情が許さない場合には率直に相談すれば心ある宗教者からは理解を得られます。また、経済的余裕のあるときは基本的に金額にこだわらず感謝の気持ちを相応に表現すべきです。

式場使用料とは

ここ数年、都市部を中心に自宅でお葬式を出す方が少なくなり、斎場を使用するケースが増えてきています。これは、マンションなど住宅事情によりご自宅でお葬式が行えない、近所に知られたくないなど幾つかの諸事情があります。斎場には大きく分けて公営斎場と民間斎場の2種類があります。

公営斎場は文字通り各市区町村で運営されている斎場で、その市区町村に住民票がある方なら、式場使用料がかなり安くなります。費用をかけたくない方におすすめですが、込んでいる場合が多く、すぐに使用できるケースは少ないようです。民間斎場は全国どの地域にもあり、設備が整っており、交通の便もよく、公営斎場に比べ充実はしていますが、公営斎場の3~5倍の料金がかかることが多いようです。

どちらが良いかは葬儀プランや予算等によって変わりますので、総合的に判断して決めるのが良いです。例えば、費用を抑えるため、公営斎場を使用したくても予約が1週間先ですぐに使えない場合は民間斎場を使用することもありますし、日数が延びても費用を抑えたい場合は公営斎場を使いたいというケースもあるでしょう。いずれも要望をしっかり伝えることが必要です。あきらめずに要望をきっちり伝えることが、良い葬儀をおこなう第一歩になります。

接待費とは

接待費の種類には会葬者への返礼品、香典返し、通夜ぶるまいや精進落しなどの飲食費、お手伝いさんなどへのお弁当などがあります。会葬者の返礼品とは、お通夜・告別式に参列してくださった方々に会葬礼状、会葬御礼品(ハンカチなど)など、感謝の気持ちを込めてお渡しするものです。両式とも参列者が多数いる中、来てくださった方々にご挨拶をする時間はありませんので、書面にてご挨拶を略式にかえるという意味合いもあります。

また参列者の大多数は、香典を持ってくる方が殆どです。香典を持ってきた方々に改めてお返しをするのが香典返しで当日返しと後返しの2パターンがあります。当日返しとは、お通夜・告別式に来ていただいた方々に香典返しをお渡します。但し、香典を50,000円包む方もいれは、10,000円包む方もおり、額の違う方に同じ品物をお返しするわけですが、額が多い方には、忌明け後に改めてお返しをするのが多いようです。当日返しのメリットとしては、漏れなく必ず行き渡るという点と送料がかからないという点があります。

通夜ぶるまいとは、お通夜に参列いただいた方におもてなしをするお食事のことです。来られた会葬者の方は、ゆっくり椅子に座り長時間お食事をする方は殆どいませんので通夜ぶるまいの数量の目安は参列予定人数の約半分、100名来る予定なら50~60名分のお寿司やオードブルなどの盛皿でおもてなしをします。この他に御飲み物も出しますが、こちらは使用分のみ精算となります。

精進落しとは、告別式に参列された方々で火葬までお付き合いいただいた方にお膳を用意します。火葬までお付き合いいただける人数がはっきりしますので、具体的な数量が分かります。選ぶ方の好みにもよりますが、4000円から5,000円位のお膳を頼まれる方が多いです。